HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

はじめてのマインドフルネス⑤まとめ

このシリーズでは、マインドフルネスのそもそもの効果と目的、そしてそれがどう達成されるのかについて「3つの力」というキーワードを使って説明してきました。

今回の記事ではそれらを振り返り、マインドフルネスの全体像をまとめます。

 

 

効果と目的

 

 

マインドフルネスの実践(主に「瞑想」)を行うと、さまざまな効果が現れることが多くの研究によって明らかになってきています。

それらは心身の健康に関する効果、仕事上・人間関係上の効果など多岐にわたりますが、そもそもマインドフルネスはこれらを目的としたものではありません。

マインドフルネスの本来の目的は「困難があっても心穏やかに生きる」ことです。研究により実証されている効果の多くは、この目的に向かう過程で得られる副産物的なものだと考えると整理がつきやすくなります。

 

この段落の詳細に関しては記事はじめてのマインドフルネス①効果と目的 | ホリスティックヘルスラボ (miyukinosato.or.jp)をご覧ください。

 

 

マインドフルネスの3つの力

 

   注意力   

「困難があっても心穏やかに生きる」という大きな目的に向かうために、マインドフルネスでは3つの力を養っていきます。

この3つの力の中でも土台となるものが注意力です。

「自分の意図したものに注意を向け、とどめておく力」です。マインドフルネスの実践の初期の段階では、この注意力を鍛える瞑想を中心に行うことが多くなっています。対象に注意を向けることが初めて、観察できるためです。

 

注意力の詳細に関しては記事はじめてのマインドフルネス②注意力 | ホリスティックヘルスラボ (miyukinosato.or.jp)をご覧ください。

 

 

   観察力   

2つ目の力である観察力は、

・五感をとおして

・先入観なく

物事を把握する力、と表現できます。

 

私たちはいつもの考え方のパターン(先入観)のために、困難に対する効果的な対応策が思い浮かばなかったり、問題を大きく捉えすぎたりすることがあります。

そこでマインドフルネスにおいては「五感をとおして」観察する練習を行います。五感を通した観察により先入観の入る余地が少なくなり、困難に効果的に対処できたり、無用な困難に煩わされずにすむようになったりすることが考えられます。

 

観察力の詳細に関しては記事はじめてのマインドフルネス③観察力 | ホリスティックヘルスラボ (miyukinosato.or.jp)をご覧ください。

 

   温かさ   

3つ目の力である温かさは、大きな困難を観察する際に大切になります。困難が大きければ大きいほど、客観的に観察するということが難しくなりますよね。

 

「温かさ」とは、観察の対象(ここでは困難なこと)に対して、

・「そこにいてもいいよ」と存在を認める気持ち

・「どんな感じなんだろう」と知ろうとする好奇心

と表現できます。

温かさを持って観察することにより、困難から目を背けたり、過度に捉われたりすることなく、適切な距離感を持って観察ができるようになります。すると、仮に困難が残っていたとしても、それによる苦しみからは解放される可能性が生まれます。

 

温かさの詳細に関しては記事はじめてのマインドフルネス④温かさ | ホリスティックヘルスラボ (miyukinosato.or.jp)をご覧ください。

マインドフルネスに置いては上記のような3つの力を培うことで、「困難があっても心穏やかに生きる」状態に近づいていくことができるのです。

 

 

 

まとめ

 

今回でシリーズ「はじめてのマインドフルネス」は終わりになります。ホリスティックヘルスラボでは、マインドフルネスに関する情報や具体的な実践方法などを紹介しておりますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください!

植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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