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東洋医学療法の紹介コラム㊶ 気功療法⑱ 気功功法の四

“六字訣”は中国で最も古い呼吸法で、息を吸って吐くだけで場所もとらずに簡単に出来る気功法です。息を吐くことを「吐」、吸うことを「納」といい、調息(呼吸)を主にした功法は「吐納類功法」と言います。先人は声を発したときの体の共振による変化に気づき、6つの音を利用した気功を作りました。呼吸と発声を合わせて練習することで健康になり、病気も改善されるので医療気功に分類されています。

六字訣は「嘻(xi)、呬(si)、呼(hu)、呵(ke)、吹(cui)、嘘(xu)」の六文字の特定の吐気と発声法によって「三焦、肺、脾、心、腎、肝」6つの臓腑の機能を強化します。具体的には、全身をリラックスさせて鼻から息を吸い、口から音を出しながら息を吐き出します。この吐き出される音の振動により内臓器に刺激を与え、働きを整えるというものです。

さらに呼吸系の筋肉を鍛錬して呼吸機能を増強します。動作も加えて運動機能も改善できます。

なお、六字訣はマイナスのエネルギーをプラスに変化することができる技です。

具体的には、マイナスの感情と対応する内臓を意識し、特定の音を放ち、対応する五行の色のイメージを加え、人の心理や感情及び情緒的な状態を改善することができます。

また、それによって、さまざまな病気や症状を治療できるとされています。

 

立 禅

 

 立禅は立ったままで禅を行うもので、無我無心に内面の静けさを求め、一切の雑念を取り払うことを原則とします。次に意識で気を導引して経絡に沿って体の表裏、内外、上下、左右に流れます。これは全ての気功の基であり、静気功とも言います。

例えば:小周天、大周天などの功法があります。

 両足は肩幅と同じように開き、膝をやや曲げ、気を丹田に集中させ、両手は自然に両側に垂らします。体をリラックスさせ、意識を取り払い、無我無心の状態になります。

軽く腹式呼吸をして腹内の気が膨脹、収縮することを考えます。

腹内に気が満ちたのち、体表に発散し体の表面に防衛の膜を作ること、そして、この膜が呼吸によって膨張、収縮することをイメージします。

次に体表面の気が全て両手に集中して、この気も呼吸によって膨張、収縮します。

最後に両手を臍(へそ)の高さに上げて、両手のひらを30cmぐらいの間隔を開けて向かい合わせます。そして腹式呼吸に合わせて、両手の間隔を少し広げたり、狭くしたりします。

鼻で息を吸う時には、気を両手から経絡に沿って丹田に戻し、両手の間隔を少し広げます。鼻で吐く時、気を丹田から両手へ出し、両手の間隔を少し狭くして気を圧縮します。

このように、気を両手の間に繰り返し送ってトレーニングします。これを“引気”と言います。 

 これは太極拳を行う前の心と気の準備になります。

 

 

 

参考文献:

  • 林茂美・林誠著.らくらく気功健康法―だれにでも手軽にできて効果抜群.永岡書店,1990
  • 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
  • 安井廣迪著.医学生のための漢方医学【基礎編】.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

 

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