HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

はじめてのマインドフルネス③観察力

 

マインドフルネスとはそもそもどんなものなのか、解説していくこのシリーズ。

前回の記事   はじめてのマインドフルネス②注意力 では、「マインドフルネスの3つの力」のうち、「注意力」について解説しました。

今回の記事では、「注意力」を土台として物事を観察する力である「観察力」について説明していきます。

 

観察力とは

 

ここでの観察力とは、・五感をとおして ・先入観なく    物事を把握する力、と表現できます。

しかしそう言葉で言われても、少し抽象的で分かりづらいですよね。

そこで、マインドフルネスの観察力がどのようなものかを実感して頂くために、2つのワークをご用意しております。

ぜひ以下の記事から体験してみてください!

 

①レーズン瞑想

 

 

②9点パズル

 

 

観察力の日常生活への応用

 

2つのワークを通じて観察力を体験して頂きましたが、それではこの観察力が日常生活でどのように役に立つのでしょうか?これには大きく分けて2つの側面があります。

 

1つ目

1つ目は、トラブルに効果的に対処できるようになるという側面です。

9点パズルで体験して頂いたように、私たちは知らず知らず先入観に捉われ、トラブルに対する有効な対処法に気づかないということがあります。

対象を五感を通じて観察することで、先入観の入る余地を減らし、効果的に対処できる可能性が生まれるのです。

2つ目

2つ目は、無用なトラブルにわずらわされなくなる、という側面です。これについては次の段落でご説明します。

 

無用なトラブルにわずらわされなくなる

 

観察力を培うと、無用なトラブルが減る、というメリットがあります。

先入観のためにトラブルを作り出してしまう、というのはよくあることです。例えば、職場で同僚に挨拶をしたのに、同僚が挨拶なしに通り過ぎたとします。

心の中にはさまざまな考えが浮かんできます。

「昨日仕事をお願いしたの根に持ってるのかな…」と疑心暗鬼になってしまうこともあるかもしれませんし、「なにあれ…愛想が悪い人!」と怒りすら湧いてきて、今後の関係に影響してしまうかもしれません。

しかし実際に起こったことは、「同僚が挨拶を返さずに通り過ぎた」ということだけなのです。同僚は急ぎの用事があって挨拶が耳に入っていなかっただけだとしたらどうでしょうか?

このように先入観なく観察することができれば、必要以上のトラブルにわずらわされずに済みます。

こういった意味でも、マインドフルネスの観察力が活きてくるのです。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?今回はマインドフルネスの3つの力の2つめ、観察力についてご説明しました。

次回は、大きな困難に対応するために大切な「温かさ」という力について説明していきます。

植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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