HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

はじめてのマインドフルネス②注意力

 
マインドフルネスとはそもそもどんなものなのか、解説していくこのシリーズ。
前回の記事(はじめてのマインドフルネス①効果と目的)では、マインドフルネスの本来の目的は「困難があっても、心穏やかに生きる」ことであると説明しました。
 
 
今回の記事からは、その目的に向かって体得していく「3つの力」について解説していきます。
本記事では特に1つ目の力である「注意力」について詳しく述べています。
 
 
 

マインドフルネスの3つの力

 
 
「瞑想」の実践で養われる力には、あえて分けるとすれば、3つあります。
それは「注意力」「観察力」「温かさ」です。
 
これらの力を身につけていくことで、「困難があっても、心穏やかに生きる」ことができる状態に少しずつ近づいていくのです。
今回以降の記事では、この3つの力について、順を追って説明したいと思います。
まずは「注意力」から見ていきましょう。
 
 
 
 

注意力とは

 
 
注意力とは、「自分の意図したものに注意を向け、とどめておく力」です。
 
注意を一つのものにとどめておくというのは、案外難しいものです。
 
例えば、皿洗いをしているときを思い浮かべてください。そのとき、心はどうなっているでしょうか?もしかしたら今日起こった出来事や、明日やらないといけないことに心がさまよっていないでしょうか。
 
実はある研究では、平均的な人でも起きている間のなんと46%は心がさまよっていることが確かめられています。
(Killingsworth MA, Gilbert DT. A wandering mind is an unhappy mind. Science. 2010;330:932.)
 
このように心がさまようことは心の自然な性質なのですが、マインドフルネスの実践においては、心がさまよっている時間を少しでも減らす(=注意を自分の意図したものに向けておく)ことが重要になります。
 
それは次の段落で述べるように、この「注意を向けておく」能力がマインドフルネスの実践において土台となるからなのです。
 
 
 

注意力はマインドフルネスの土台部分

 
 
マインドフルネスの実践では、さまざまなものを観察していきます。
次回以降の記事で詳しく解説していきますが、五感を通じてさまざまな対象を観察することを通じて、「困難があっても、心穏やかに生きる」という目的に近づいていきます。
 
その際に何をおいても大切になるのが、注意力です。注意を向けられないものは、観察することができないからです。
 
そのため、マインドフルネスの書籍などでは、最初に注意力を鍛えるタイプの瞑想を紹介するものが多いようです。
 
では具体的にどのような瞑想があるのでしょうか?
ここでは、代表的なものとして「呼吸瞑想」をご紹介します。詳しい内容に関しては、以下の記事をご参照ください。
 
 

まとめ

 
 
今回はマインドフルネスの3つの力、中でも土台となる注意力について詳しくご紹介しました。
次回の記事では一歩進んで、観察力という力について説明していきます。
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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