HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

書籍紹介① 「マインドフルネスストレス低減法」

 
 
今回の記事シリーズでは、書籍「マインドフルネスストレス低減法」をご紹介したいと思います。
マインドフルネスの関連書籍で最も有名と言っても過言ではない本で、みなさんにも読んで頂きたい本の一つです。
 
しかし少し前の本で、わかりやすいカラー図版があるわけでもないので、なかなかとっつきにくいと感じる方もおられるようです。
そこで今回はこの本について概要を説明したのち、各章の内容を簡単に紹介することで、みなさんが本書を手に取るきっかけになればと思います。
 
 

本の概要と構成

 

今回取り上げる本はこちらです。
 
J. カバットジン著 春木 豊 訳(2007)
マインドフルネスストレス低減法 北大路書房
 
 
本書は、以下の英語版を日本語訳したものです。
 
Jon Kabat-Zinn 
Full Catastrophe Living (1990)
 
現在は、英語版のみ改訂版(2013)が出ています。
 
 
著者のジョン・カバットジン博士はアメリカの医学研究者であり、タイトルにもなっている「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」というプログラムの創始者です。
カバットジン博士やMBSRについてはマインドフルネスストレス低減法(MBSR)とは? 〜①概要編〜に詳しく書いていますので、参考にしてください。
 
 
 
本書では、著者が長年MBSRを提供してきた経験をもとに、実際の瞑想の方法や、マインドフルネスを生かしたストレスとの関わり方、そして瞑想と健康の関係というテーマが綴られています。
 
大きく3つのパートに分けられ、それぞれ以下のようなタイトルがついています。
 
 
第I部:「マインドフルネス瞑想法」の実践
第II部:瞑想によるストレス対処法
第III部:健康と癒しの新しいパラダイム
 
 
それではここからは各パートの内容について簡単にまとめていきますね!
 
 

第I部「マインドフルネス瞑想法」の実践

 
第I部では、まず実際にマインドフルネスストレス低減法(MBSR)のプログラムに参加した人の事例を交えながら、マインドフルネスの意義やマインドフルネスにおける大切な心構えが綴られています。それに続き、実際のプログラムの流れに沿って、瞑想法が紹介されていきます。
 
参加者の事例から1つ引用してみます。マサチューセッツ大学のストレス低減クリニックでMBSRの8週間プログラムに参加したある中年男性について筆者が説明している部分です。
 
 
「このクリニックに来て、彼の心臓疾患が治ったわけではありません。病状は、プログラムが終了した時も、来たときと同じです。しかし、ここへ来たときは、彼は自分を病人だと思いこんでいました。絶望感に襲われていた心臓病患者だったわけです。ところが、八週間たった時、彼は健康そうで幸せそうに見えました。病気や仕事といったさまざまな問題をかかえていても、人生に喜びを感じていたからです。彼は、自分を心臓病患者としてみるのではなく、一人の人間として見ることができるようになったのです。」
 
 
このように、「人生の困難」に対して無条件に屈するのではなく、よりよく生きるための新しいアプローチをマインドフルネスがもたらしてくれる可能性が強調されます。
(ちなみにMBSRは病院内で始まった経緯があるため、本で取り上げられるのは健康上の問題を抱えた方の例がメインですが、そうでない方も参加できます。)
 
その後、実際にMBSRで行われる瞑想法の説明が続きます。
呼吸瞑想・座って行う静坐瞑想・身体の感覚を感じとるボディースキャン・ヨーガ瞑想法・歩行瞑想法などが図版を交えながら順に説明されます。
 
実はこれらの瞑想法については、すでにこのHHLABでも記事としてご紹介しています。短く実践しやすいガイド動画もつけておりますので、以下のリンクからぜひ詳細をご覧ください!
 
 
【静坐瞑想】
 
【ボディスキャン】
 
【ヨーガ】
 
【歩行瞑想】
 
 
 

まとめ

 
今回は書籍「マインドフルネスストレス低減法」について概要と第I部の内容をまとめ、実践内容についての記事を紹介しました。
次回は第II部、第III部についてまとめ、全体像を整理したいと思います。
 
 
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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