HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

ついつい無理をしてしまうときのヒント

Q. 知らず知らず無理をしてしまい、体調を崩してしまいます。何かよい方法はないでしょうか。
 
仕事や家族のことで忙しく、いつの間にか無理をしてしまい、気づけば体調を崩してダウンしてしまうことを繰り返しています。体調を崩す前に自分をケアするためのよい方法があれば教えてください。
 
A.  マインドフルネスの視点から、無理をしすぎないための方法をいくつかご紹介します。
 
 
 

自分の状態に気づく

 
 
忙しいとついつい無理をしてしまい、気づけば風邪をひいたりしてしばらくダウンしてしまう、ということが起こりがちですよね。いくらやることが沢山あるとはいえ、このように限界を超えてしまうとかえって物事が進まなくなり、余計に忙しくなるという悪循環に陥ってしまいます。
 
生活上ある程度無理をしないといけない場面はあると思いますが、それが行き過ぎないように、常に自分にかかっている負担の度合いに気づくことが重要です。
 
 
 

セルフケアの3つの円

 
 
自分にかかっている負担の度合いに気づくために有効な考え方として、「セルフケアの3つの円」があります。
 
 
 
 
3つの同心円は、今の心や身体の状態を表しています。
 
・快適ゾーン            :負荷が小さく、快適に過ごせるゾーン
・チャレンジゾーン:負荷が適度で、効率よく物事を進められるゾーン
・行き過ぎゾーン    :負荷が大きく、心身の健康を損ねかねないゾーン
 
あなたは今どのゾーンにいますか?チャレンジゾーンの範囲にとどまっている場合はよいのですが、行き過ぎゾーンにいると感じる場合は要注意です。しばらく行き過ぎゾーンにとどまっていると、遅かれ早かれ健康を損ねてしまいます。セルフケアのためには、自分がどのゾーンにいるのかに気づく力を育てることが非常に重要なのです。
 
それでは気づく力を育てるにはどうすればよいのでしょうか?
次の段落からマインドフルネスならではの方法をご紹介しますね。
 
 
 

ボディスキャン

 
 
 
身体はいつも私たちに感覚という形でメッセージを送ってくれています。例えば風邪をひきかけているときは喉の痛み、負荷のかかる姿勢を続けているときは腰の痛み、というように感覚を通じて私たちに不調を伝え、対応を促しているのです。しかし私たちは忙しくてそれに気づかず、身体のメッセージが大きくなってからようやく気づくということになりがちです。
 
そこでもっと積極的に身体の感覚を感じる練習をしよう、というのがボディスキャンです。ボディスキャンは身体の各部分の感覚を順番に観察していく瞑想です。身体の感覚にくまなく注意を向けていくことで、身体のちょっとした異変に気付きやすくなります。
 

ボディスキャン瞑想の詳しい方法を以下の記事に書いていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

ボディスキャン瞑想 〜からだの感覚に気づくセルフケア〜

 
 
 

マインドフルヨガ

 
 
もう一つの方法は、マインドフルヨガです。簡単な動きをしながら、身体の感覚を感じ取っていく方法です。マインドフルヨガでは様々なポーズをとっていきますが、この際に大切なのは、「無理をしない」ということです。「身体を柔らかくしたい」「もっと上手にバランスを取れるようになりたい」といった思いが浮かんでくるかもしれませんが、「無理をしない」ことを練習する時間だと思って、限界を超えないようにしてください。身体の感覚を通じて今自分がいるゾーンを探る格好の練習になります。
 
以下の記事ではマインドフルヨガの一例をご紹介していますので、参考にされてください。
 
 

まとめ

 
 
いかがだったでしょうか?「無理をしない」という態度は、実は練習により培うことができます。今日ご紹介したようなマインドフルネスの実践を通じて今の自分の状態に気づき、無理をしすぎない練習をしていきましょうね!
 
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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