HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

痛みがつらいときのヒント

 
 
 
Q.  最近肩こり・腰痛がひどく、仕事でも家事でも痛みが気になり集中できません。
 何かよい方法はないでしょうか。
 
A.  マインドフルネスの立場から、痛みに対応するための方法をいくつかご紹介します。
 
 
 

痛みへの対応

 
 
肩こりや腰痛などの身体の痛みがあると目の前のことに集中できなかったり、なんとなく気持ちまで沈んでしまったりしますよね。
今日は痛みがあるときの対応法についてマインドフルネスの観点から説明していきます。
 
 

方法①注意のコントロール

 
 
 
痛みは本来、身体に負担がかかっていることを教えてくれる、身体からのメッセージですので、私たちにとって必要なものです。
しかし、痛みに注意が向き過ぎてしまうと心の中で痛みの存在感が高まり、必要以上に強い苦痛を感じることがあります。
こうなるとさらに痛みに注意が向き、より苦痛が強まるという悪循環に陥ってしまいます。
 
そこでご紹介するのが1つ目の方法、注意のコントロールです。
一旦注意を別のところへそらし、苦痛が大きくなるのをリセットします。
 
最も簡単な方法は呼吸の感覚に注意を向けるという方法です。例えば鼻の入り口には、吸う息で涼しい空気が、吐く息で暖かい空気が当たるような感覚がありますよね。このような呼吸の感覚の変化に注意を向けてみるのです。時間は30秒ほどで構いません。
 
人間の注意の資源には限りがあるため、痛みに向いていた注意が呼吸に振り向けられ、苦痛の増大を抑えることができるのです。
 
 
 
 

方法②痛みに注意を向けてみる

 
 
 
方法①をご紹介したあとでは少し意外に感じるかもしれませんが、痛みに注意を向けてみるという方法もあります。
もし苦痛の程度があまり強くなければ、一度痛みに注意を向けてみて、その痛みと向き合ってみましょう。
 
その際、痛みがどの範囲にあるのか、どの深さにあるのか、時間に伴って変化しているのか、といった痛みの性質を感じとってみましょう。
痛みそのものを感じてみると、思っていたほど苦痛ではないということに気づけるかもしれません。このようにすることで身体からのメッセージを受け止め、身体と心のつながりを取り戻すことができます。
 
しかし痛みに注意を向けるのがやはり難しい場合もあると思います。その際には方法①を優先するのがよいでしょう。
 
 
 

 

方法③身体を動かす

 
 
 
 
3つ目の方法は身体を動かすという方法です。痛みのある部分を動かしたいように動かしてみましょう。例えば肩こりの場合は両腕を挙げたり、両肩を漕ぐように回したりしてみましょう。
 
ここで大切なことは、その部分の感覚に気づきながら動かし、決して限界を超えないようにすることです。心地よく感じられる範囲で、身体にいたわりの気持ちを向けながら動かしてみましょう。適度に筋肉がほぐれることで痛みの改善が期待できます。
 
それだけでなく、このように身体に注意を向けながら動きを調整することは、セルフケアの意味でもとても重要です。続けることで自然と無理のない姿勢に近づき、身体への負荷も軽減することでしょう。
 
 
 
 
 

まとめ

 
 
 
いかがだったでしょうか?身体の痛みがある際には今日ご紹介したような方法を試してみてください。
またみゆきの里では11月から「痛みから自由になる」オンラインコースを開催します。今回の記事でご紹介した方法だけでなく、痛みに関する基礎知識から始めて痛みに振り回される日々から自由になることを目指すコースです。長く続く痛みにお悩みの方、ぜひ詳細をチェックしてみてくださいね!
 
 
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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