HOLISTIC HEALTH JOURNAL

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医療

漢方薬の効果と種類

はじめに読むコラム

 

こちらの記事は東洋医学の「基礎」となるコラムです、より理解していただくために、まず、はじめにご覧ください。

 

 1⃣ 現代人に必要な東洋医学の知識

 2⃣ 現代医学・伝統医学・西洋医学・東洋医学「言葉の定義」

 3⃣ 日本における漢方の普及と発展

 4⃣ 中国伝統医学、中医学及び現代中医学の定義と構造

 5⃣ 中医学の特徴

 6⃣ 中医学診療の考え方

 7⃣ 代替医療・統合医療とは何のこと?

 

漢方薬の効果と種類

 

漢方内服薬が身体に効くメカニズムと効果は以下のとおりです。

 

・方薬の成分が六腑で体内に吸収されます。

・各生薬の成分はその性質により関係する五臓に取り込まれます。

・各臓腑から経絡を通じ全身へと作用します。

・有効成分が身体のバランスを整え、自然治癒力を高めるような効果を発揮します。

 

 

漢方薬の種類は煎じ薬やエキス剤のほか、丸薬・散薬・膏薬・OTC医薬品などいくつかの種類に分けられます。

 

 煎じ薬

水から生薬を煮出した液薬です。ガラス容器やほうろう鍋、土瓶で30~40分煎じ、抽出された煎じ薬を服用します。

患者の体質や証に合わせてオーダーメイドで生薬の種類や量を加減することができるため、漢方処方の基本形となっています。

ただし、服用する際自分で煎じなければならないことや、煮出す手間がかかるなど不便なところがあります。

最近、病院や薬局などで生薬を煎じるサービスが増えていますが費用がかかります。

 

 丸薬

生薬を粉末状にし、蜂蜜などで丸い形に固めた薬です。体内でゆっくり溶けていくため、薬効が緩やかで持続性もあります。

 

 散薬

生薬を細かく粉末状にし、混合したものです。一般的に白湯か水で服用します。すぐに服用でき、即効性があるのがメリットです。

 

 膏薬

生薬成分を抽出し、ワセリンや蜜蝋などで固形にした薬で、現在では塗薬として皮膚疾患に使用します。痔やおでき、傷、湿疹などに使われます。

 

 エキス剤

煎じ薬、丸薬、散薬の中の成分を濃縮した薬です。

具体的には処方の法則に従って、複数の生薬を調合し、工場で煮出し、抽出液の余分な水分を除き、液を濃縮し、霧状に噴出させ、そこに熱風を当てて乾燥させ、固めるための賦形剤を混ぜて乾燥エキス顆粒にしたものと粉末・カプセルや錠剤・液体状に加工されたものがあります。

メリットとしては保険が利く場合が多いことや煎じる時間が省け、持ち歩けるといった点ですが、一人ひとりの体質や状態に合わせて、方剤の配合を細かく変えることはできません。

既製のエキス剤では効果が出にくい場合は、生薬を新しく組み合わせて煎じ薬で治せる場合もあります。実際の診療現場では主にエキス剤が使用され、エキス剤では対応できないような難しい病気、複雑な病気、経過の長い病気に対しては、煎じ薬が処方されることが多いようです。

 

 OTC医薬品

医師の処方箋が不要で、一般薬局で購入できる一般用漢方薬製剤のことを指します。ただし、安全性を考慮し、成分量が抑えてあるため、効果は弱い場合があります。

 

参考文献

  • 関口善太著.やさしい中医学入門.東洋学術出版社,1993
  • 安井廣迪著.医学生のための漢方医学【基礎編】.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019
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