HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

忙しい心を休める方法

 

 

毎日の家事やお仕事で疲れきってはいませんか?
休憩をしている間も心の中はやらないといけないことで溢れていませんか?
 
 
 
 
今回の記事では積極的に心を休めるための方法をマインドフルネスの観点からご紹介します。
 
 
 
 

頭の中がいつも忙しい

 
 
 
毎日家事や仕事で追われ、心が休まらないと感じることはないでしょうか。
少し休憩する時間があったとしても、心の中はあちこちに動き回っていて、本当に休めたと感じることはあまりないかもしれません。
このような状態は「マインド・ワンダリング」=「心がさまよっている状態」と呼ばれます。
 
ある研究では、人間が起きている間にやっていることのうち、平均46%がマインド・ワンダリング状態であったという結果が出ています。
驚くべきことに、やっていることの約半分で「心ここにあらず」状態であるという結果だったのです。
(Killingsworth MA, Gilbert DT. A wandering mind is an unhappy mind. Science. 2010;330:932.)
 
これはあくまで平均的な人の場合であるため、もし悩み事があったり、やるべきことがたくさんあったりする場合にはもっとマインド・ワンダリングの割合が増えることが推測されます。
 
このようなマインド・ワンダリングの状態では、心は次々とたくさんの情報を処理しなければならないため、次第に疲弊してしまいます。
だからこそ、マインド・ワンダリングを自覚し、意図的に「心が何もしていない」時間を作ることが重要なのです。
 
 
 

スマホを置いてみよう

 
 
 
 
 
スマホ(スマートフォン)は非常に便利なツールで、いつどこにいても世界中の情報がリアルタイムに手のひらの中に届きます。
食事中でも仕事のメールを確認することができますし、眠れないときにも手を伸ばせば好きな動画を見ることができます。
しかしそれほど便利であるがゆえに片時も手元から離せない状態になりがちなのではないでしょうか。
 
スマホはここ10数年で急速に普及し、その普及速度たるや目を見張るものがあります。
ほとんど誰も持っていなかったところから、一気にほとんどの人が持っている状態になりました。
人類の使う道具で、このような劇的な速度で普及したものがかつてあったでしょうか。
あまりに急速な普及のため、人類はまだスマホとの適切な距離感を測りかねているのかもしれません。
 
日常の中で、無意識にスマホを手に取って画面を眺めている時間はありませんか。
そのときにそのことに気づいて、スマホを机の上に置く。それだけでも心の処理量を減らすことができ、心を休めることに繋がります。
 
 
 

呼吸瞑想をしよう

 
 
 
さて、いざスマホを置いたとして、次はどうすればよいのでしょうか。心の忙しい状態に慣れていると、何もすることがなくなったときに困惑してしまうかもしれません。そのうち心に色々なことが浮かんできて、ソワソワしてまたスマホを開いてしまうかもしれませんよね。
 
そんなときは、短い時間でもよいので呼吸瞑想をしてみましょう。呼吸瞑想では、さまよう心を今ここに戻すということを何度も繰り返し練習していきます。続けるうちに、心のさまよう時間が減っていくことが期待できますよ。
 
 
 
 

まとめ

 
 
 
日々さまざまな情報を処理してくれている心のために余白の時間を作り、瞑想で心を休めませんか?
この記事が心穏やかに過ごすための参考になれば嬉しいです。
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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