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ストレスとマインドフルネス③ ストレスが健康を害する仕組み

今回の記事シリーズではストレスについて整理し、マインドフルネスがストレスへの対処に果たす役割について説明しています。
前回ストレスの観点から心と体のつながりについてふれましたが、今回の記事ではその内容を踏まえつつ、ストレスがいかにして健康障害につながるかを説明していきます。
 
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ストレス反応と急性過覚醒

 
 
前回の記事でご説明したように、ストレスが生まれると、それが身体的なものであれ心理的なものであれ、
心身両面のストレス反応を引き起こします。
 
これらのストレス反応の多くは、わたしたちが危険から身を守るために先祖から受け継いだり、生まれた後に身につけたりしたものです。
 
たとえば、道で蛇に遭遇したとしましょう。すると、前回説明した「闘争/逃走反応」が起こります。
まず、心拍数が上がりますね。他にも、血圧が上がったり、呼吸数が速くなったりします。また、筋肉にエネルギーを供給するために血糖値も上がりやすい状態になります。
 
このように「闘争/逃走反応」でとっさのストレッサーに対応した状態を「急性過覚醒」といいます。
 
多くの場合、時間が経てばこの「急性過覚醒」の状態は落ち着くのですが、次に見るように現代社会においては必ずしもそうではありません。
 
 
 

慢性過覚醒

 
 
 
私たちが野生動物であった時代は、多くのストレッサーは一過性(一度きり)のものでした。
たとえば先ほどの蛇に遭遇したという例の場合、蛇がいなくなってしまえばストレッサーはなくなります。
 
しかし現代において問題になるストレッサーはむしろ、長続きするストレッサーなのです。
代表的なものは、人間関係上のストレッサーや仕事上のストレッサーです。
これらのストレッサーは一度乗り切れば終わり、というものであることは少なく、継続的にストレッサーであり続けます。
また、場合によっては過去のつらい出来事を何度も思い出し、それが継続的なストレッサーとなってしまうこともあります。
 
継続的なストレッサーにさらされていると、「闘争/逃走反応」を起こしている状態がじわじわと当たり前の状態になってきます。なかでも高血圧・高血糖は多くの疾患の引き金になるという意味で問題です。
 
このように、「闘争/逃走反応」が長く続いてしまう状態を「慢性過覚醒」といいます。ストレス反応が身体の内に染みついてしまうという意味を込めて「内在化」ということもあります。
 
 

破綻

 
 
慢性過覚醒の状態であるにも関わらず、不適切な対処を続けているとどうなるでしょうか?
たとえば、人間関係のストレッサーにより慢性過覚醒となり、高血糖の状態だとします。
そうであるにも関わらず、気を紛らわすために甘いものをたくさんとる生活をしていたら…当然血糖値はさらに上昇します。
それでもさらに生活が改まらないと、いつしか糖尿病を発症してしまうかもしれません。
このように疾患にかかったり、生活が立ち行かなくなる状態にまで陥ったりすることを「破綻」と呼びます。
 
今回は説明を簡単にするため身体的症状をメインに説明しましたが、精神的症状についても同じように急性過覚醒、慢性過覚醒、破綻を考えることができます。
 
 
 

まとめ

 
 
今回はストレスが健康障害に結びつく過程を急性過覚醒、慢性過覚醒、破綻というキーワードを用いて説明しました。
実はマインドフルネスは、ストレスがあったとしても破綻に至らないようにするための強力なツールとなり得ます。
次回は、破綻に至らないようにするためにマインドフルネスが果たす役割について、お話ししていきたいと思います。
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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