HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

セルフケアの3つの円 〜自分の状態に気づく〜

 
 
仕事に関して悩んでいる2人。しかしその悩みは正反対のようです。
 
Aさん「仕事が忙しすぎてつらい…他の職場を探した方がいいのかな…?」
Bさん「今の環境はラクだけど、もう少し自分に負荷をかけた方が成長できるのかな…?」
 
実は全く違うように思えるこの2つのお悩みは、「セルフケアの3つの円」という考え方のモデルを使うと整理しやすくなります。
今日はこのモデルを使って、マインドフルネスにおけるセルフケアについて考えてみたいと思います。
 
 

セルフケアの3つの円

 
 
セルフケアの3つの円とは、以下の図で表されるモデルです。
 
 
3つの同心円は、今の心や身体の状態を表しています。あなたは今、3つのゾーンのどこにいますか?
 
快適ゾーン:負荷が小さく、快適に過ごせるゾーン
・チャレンジゾーン:負荷が適度で、成長や変化が見込まれるゾーン
・行き過ぎゾーン:負荷が大きく、心身の健康を損ねかねないゾーン
 
ここで冒頭に出てきた2人の悩みに戻ると、
 
「仕事が忙しすぎてつらい…他の職場を探した方がいいのかな…?」と感じているAさんは、「行き過ぎゾーン」
「今の環境はラクだけど、もう少し自分に負荷をかけた方が成長できるのかな…?」と感じているBさんは、「快適ゾーン」にいる、と言えます。
 
これらのゾーンにしばらく留まっていると、AさんやBさんのような悩みを生じることがあります。
そこで、大切になるのがそれらの中間の「チャレンジゾーン」です。
 
適度な成長や変化を期待しつつ、心身の健康を保つためには、チャレンジゾーンの中で自分にとっての「ちょうどよい限界」を探ることが大切なのです。
 
 
 

自分の状態に気づく

 
 
このように自分の「ちょうどよい限界」を探るためには、自分が今どのゾーンにいるのか認識することが重要です。
ここで、マインドフルネスが大きな役割を果たします。マインドフルネスの実践では、自分の心身の状態に気づく練習を繰り返します。
そのため、適切なゾーンに留まること(=セルフケア)が上達していくと考えられるのです。
 
このことを体感として感じられる実践の代表格が、マインドフル・ヨーガです。
マインドフル・ヨーガでは様々なポーズをとりますが、身体が痛い場合には無理をせず、限界の内側に留まるようにガイドされます。
実はマインドフル・ヨーガの目的は特定のポーズを上達することではなく、実はセルフケアを練習することなのです。
ホリスティックヘルスラボではヨーガのガイド付き記事もたくさんアップロードしていますので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね!
 
 

解説動画

 
 
今回の記事の内容は以下の動画でも解説しています。よろしければご覧ください!
 
 

まとめ

 
 
今回は「セルフケアの3つの円」という考え方を紹介しました。この考え方は仕事に限らず、家事や人間関係、学習、スポーツの上達など、さまざまなことに応用できます。
ぜひ頭の片隅に留めておいて頂ければと思います。
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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