HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

瞑想は「とんぷく」として使える?

瞑想についてお伝えする活動をしていますと、次のようなご質問を頂くことがあります。
 
「気持ちが落ち着かないときや、つらいときだけの瞑想でも効果はありますか?」
 
お薬を症状があるときだけ飲むことを「頓服(とんぷく)」と言いますが、ご質問は「瞑想は頓服のような使い方でも効果があるか」と言い換えられるかもしれません。今日はこのような頓服的な瞑想についてご説明していきますね!
 
 

定期内服的な瞑想と頓服的な瞑想

 
 
 
まず、瞑想を2種類に分けるところから話を始めましょう。
 
1つ目は定期内服的な瞑想。
病院でお薬を処方されるときには、毎日決まったタイミングで飲むように指示されることが多いですよね。こういったお薬の服用の仕方を「定期内服」といったりします。
ここでの定期内服的な瞑想とは、毎日決まったタイミングで行う瞑想のこととお考えください。
例えば「毎朝10分の呼吸瞑想」「毎晩寝る前20分のボディスキャン瞑想」など、時間をとって習慣的に行うものがこれに該当します。
 
2つ目は頓服的な瞑想。
時間を決めているわけではなく、落ち着かない、不安感がある、といった症状があるときだけ行う瞑想のことをここでは頓服的な瞑想と呼ぶことにします。
 
なお、「定期内服的な瞑想」「頓服的な瞑想」という用語はわかりやすく説明するために筆者が作ったオリジナルの用語ですので、別の場所では伝わらないかもしれないことをご了承ください。
 
 
 
 

頓服的な瞑想の例

 
 
 
「瞑想は毎日行うもの」というイメージを持っていらっしゃる方が多いため、定期内服的な瞑想はイメージがつきやすいと思いますが、頓服的な瞑想には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
 
代表的なものとして「STOP」という技法があります。
「STOP」の詳細に関してはこちらの記事をご覧ください。
 
 
また、このような技法でなくても、つらいタイミングに合わせて短い瞑想をすれば、それは頓服的な瞑想と言えるでしょう。このような使い方がしやすい瞑想としては、呼吸瞑想やボディスキャン瞑想、歩行瞑想などがあります。
 
 
 

頓服的な瞑想の効果と、定期内服的な瞑想との関係

 
 
 
頓服的な瞑想には、つらいときに心を落ち着かせる効果がありますので、有効に利用しましょう。毎回確実に思い通りの効果が得られるというほどのものではありませんが、行う価値は十分にあるでしょう。
 
加えて、可能であれば定期内服的な瞑想も日頃からやっておくことをお勧めします。普段の瞑想で注意の向け方を練習し、「今ここにとどまる力」を鍛えておくことで、頓服的な瞑想の効果も得られやすくなると期待されます。
 
時間がなかなか取れないという場合は頓服的な瞑想だけでも十分に恩恵が得られることと思いますが、定期内服的な瞑想もやっておくと相乗効果が得られるでしょう。
 
実際のお薬でも定期内服薬と頓服薬を組み合わせるのに似ていますね!
 
 
 

まとめ

 
 
いかがだったでしょうか。今日は「つらいときだけ行う瞑想」について、定期内服薬と頓服薬の例えを用いて説明しました。HHLABでは他にもマインドフルネスや瞑想について解説した記事をたくさん執筆していますので、ぜひ今後もチェックしてくださいね。
 
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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