現在お送りしている記事シリーズでは、マインドフルネスの実践を続けていくにあたって大切な「7つの心構え」について説明しています。
この「7つの心構え」はマインドフルネスストレス低減法(MBSR)というプログラムの中で紹介されるものですが、このMBSRに限らずマインドフルネスの実践に取り組まれている方皆さんに参考になることだと思い、紹介させて頂きます。
6回目の今日は「初めての気持ちで」という心構えについて説明していきます!
英語では「Beginner’s Mind」ですが、ここでは「初めての気持ちで」と訳させて頂きます。
1回目記事はこちらマインドフルネスの心構え①評価をわきにおいて
毎日同じで退屈
瞑想を毎日やっていると、ときには「毎日同じことを繰り返して退屈だなあ」という思いが浮かんでくることもあるのではないでしょうか。
呼吸の感覚を観察したり、身体の感覚を観察したり、同じ繰り返し。
ガイド音源を使ってやっている人は、毎日同じガイドの繰り返し。
「どうせやるならやり方を変えて色々と試してみたほうがいいのでは」という気持ちになるのも頷けます。
しかし、よく考えてみると、毎回全く同じということはないのではないでしょうか。
例えば、呼吸。生まれてから今までずっと続いている呼吸ですが、毎回呼吸の深さや、ペースはわずかずつ異なり、変化しています。
どの2回をとっても全く同じ呼吸ということはないはずでしょう。
身体の感覚をとっても然り。身体の感覚は常にありますが、絶えず移ろっています。
まるで浜辺に繰り返し打ち寄せる波が、全く同じ形で押し寄せることは二度とないのと同じように、
身体の感覚もまた、今と同じ状態にもう一度帰ってくることはないのです。
初めての気持ちで
そのように考えると、今この感覚を感じ取れるのは、今まさにこの瞬間をおいて他にないということになります。
そのことに気づくと、今一度きり、通り過ぎていく感覚が大切に思えてくるのではないでしょうか。
一見同じことの繰り返しのように見える事柄も、実は一度きり。毎回毎回が、その出来事に出会うまさに初めての瞬間である。
そのような心持ちで物事に出会うことをさして、マインドフルネスでは「初めての気持ちで」の心構えと言います。
「初心」という言葉が使われることもありますが、この言葉を使う場合は、誤解がないように注意が必要です。
「初心」というと、「初心忘るべからず」という言葉が思い浮かぶのではないでしょうか。
この言葉には、「初めて物事を行ったときの心持ちを忘れるな」といったニュアンスがありますよね。
しかし、マインドフルネスで言う「初心」は、「毎回毎回が初めてである」ということに気づくということなのです。
このように、初心というと誤解を生じやすいため、私は「初めての気持ちで」という言葉をよく使っています。
日常生活も「初めての気持ちで」
この心構えは、実は日常生活にも当てはめることができます。
毎日家事や仕事を繰り返して生活を送っていると、日々が単調なものに思えてきて、いつまでこの生活が続くんだろうという気持ちになることはないでしょうか。
昨日も家事、今日も家事、明日も家事。あるいは昨日も仕事、今日も仕事、明日も仕事。
しかし、実は全く同じ日というのは2つとしてないはずです。毎日毎日が新しく来る日で、少しずつ違っていて、今日を逃すと今日がもう一度やってくることはありません。同じように毎時間、毎分、毎秒も一度きり訪れる貴重な機会ですね。
日々の瞑想を通じて、瞬間瞬間に「初めての気持ちで」臨む心構えが身につけば、豊かな時を過ごし、ひいては人生全体を大切に生きることができるのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は「初めての気持ちで」という心構えを紹介しました。
マインドフルネスの心構えは、次回が最終回となります。ぜひチェックをお願いします!