HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

東洋医学の活用

東洋医学療法の紹介コラム㉟気功療法⑫ 調身

 

 

 

姿勢を正しく整えて、全身を巡る気の流れを調節

 

調身(ちょうしん)とは、全身をゆったりさせて姿勢を整えることです。

いきなり心に雑念のない入静(にゅうせい)の状態に入るのは難しいため、一般的には調身、調息(ちょうそく)を経て、調心(ちょうしん)で心を整えてゆったりとリラックスするとよいとされています。

 

まず、調身では全身の余分な力と緊張をとり除くことが大切です。姿勢が悪かったり、不必要な力が入って関節が緊張していたりすると、気が滞りやすく、気の巡りをスムーズにさせることができないため、気功の効果も十分に得られません。    

正しい姿勢で、ゆったりと気功を行うと、滞っていた気や血が巡りはじめ、生命エネルギーが体のすみずみまで行き渡ります。それによって、体のさまざまな不調が改善されていくのです。

 

筋肉や体調や症状によって、調身の方法を選ぶ

 

調身の代表的なやり方は、大きく分けると

  • 寝て行う臥式(がしき)
  • 椅子に座ったり、あるいはソフアーなどに寄りかかって行う坐式(ざしき)
  • 立って行う立式(りっしき)
  • 歩いて行う行歩式(ぎょうほしき)

の4種類があります。

これらを選ぶ上で最も大切なのはリラックスすることですので、自分が楽な姿勢を選ぶのがポイントです。

また、それぞれの形には、動きのある動功(どうこう)と、動きがほとんどない静功(せいこう)があります。

 

例えば、立式の静功の1つに「太極椿」があります。

これは、全身の力を抜くことで気の巡りをよくするほか、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出すための鍛錬法です。初心者でもとり入れやすいので、調身の基本としてマスターしておきたい技術といえるでしょう。

どの方法で気功を行うかは、個々の体力や体調、症状によっても違ってきます。自分の体に意識を向け、体からの声と対話しながら、最も適した方法を選んで行うことが重要です。

精神的に不安定な状態の時は、雑念が起きにくい単純な動功を繰り返し行い、精神状態が安定した段階から、静功を組み入れていくとよいといわれています。このように、段階を踏みつつ、最終的に、雑念のない意識状態である入静を目指します。

なお、調身を行う際は、人の少ない静かな場所と時間帯に行うのが望ましく、アクセサリーや腕時計などは外し、服装は軽く動きやすいものを選んでください。特に屋外で行う際は、暑すぎたり、寒すぎたりしない服装に心がけるとよいでしょう。

 

 

参考文献:

  • 林茂美・林誠著.らくらく気功健康法―だれにでも手軽にできて効果抜群.永岡書店,1990
  • 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
  • 安井廣迪著.医学生のための漢方医学【基礎編】.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019
王 暁東

王 暁東(おう きょうとう)

現職:御幸病院 漢方研究室 主任研究員

経歴

【経歴】
5代続く中医学医師の家庭に生まれ、幼少の頃より家族から中医学の基礎を教わる。
1993年 河北医科大学中医学院中医学部大卒
総合病院中医科中医師(中医総合科)として勤務                       
1997年 熊本大学医学部第二生理学科に入局、脳・免疫科学の知覚生理学を専攻
2002年 熊本大学大学院医学研究科修士博士連合課程卒 
医学博士取得(西洋医学)
2016年 南京中医薬大学中医学院に入学、中医学臨床基礎・経方(漢方)医学を専攻
2019年 南京中医薬大学博士課程卒
医学博士取得(中医学) 
2004年~ 中国南京中医薬大学 客員教授
2014年~ アメリカ自然医学研究院 研究員
2020年~ 中国河北中医薬大学 客員教授
1999年~ 御幸病院および複数の医療機関に中医師・研究員・講師として勤務

【資格】

・医師(中国国家資格・中医師)
・医学博士(中国・中医学)
・医学博士(日本・西洋医学)
・自然医学療法医師(アメリカ自然医学学会)

【学会役職】

・世界中医薬学会聯合会 経方専業委員会 副会長
・世界中医薬学会聯合会 治未病専門委員会 常務理事
・日本中医協会 副会長

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