HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

逆にイライラしてしまう〜瞑想Q&A~

 
 
瞑想に関する質問やお悩みに、医師・マインドフルネス講師である筆者がお答えするこのシリーズ。
今回は「瞑想で逆にイライラしてしまう」というお悩みにお答えします。
 
 

今日のご質問

 
Q.
リラックスのためにと思って瞑想を始めたのですが、始めてしばらく立つとイライラしてきます。
私には合っていないのでしょうか。
 
A.
瞑想をすることでかえって落ち着かなく感じるということは誰にでも起こり得ることですので、あなたに瞑想が合っていないということはありません。
瞑想はあくまで、ときどき行うリラックス法ではなく、心を穏やかにしていくために長期的に続けるトレーニングと考えた方が分かりやすいかもしれません。
 
 

イライラは誰にでも起こる

 
 
 
「瞑想はリラックスにも効果があるらしいよ」と聞いて瞑想を始めた方にとっては、瞑想中にイライラするという体験があると、「なんだ、逆効果じゃないか」という気持ちになってしまうかもしれません。
 
確かに、瞑想をすると心が落ち着くこともありますが、かえってイライラしてしまうこともあります。これはほとんどの方が経験することですので、心配はいりません。
その日の体調や心のコンディションによって、瞑想をしたときの心の反応は毎回異なるため、むしろイライラする日がある方が自然なことです。
 
しかし、このように聞くと「イライラすることもあるなら、瞑想は何のためにやるの?」という疑問が浮かぶかもしれません。
 
 
 

瞑想は長期に続けるトレーニング

 
 
瞑想はあくまで、ときどき行うリラックス法ではなく、心を穏やかにしていくために長期的に続けるトレーニングと考えた方がわかりやすいと思います。
これはスポーツのトレーニングで例えるとわかりやすいかもしれません。
 
 
例えば、短距離走を始めた人が、毎日タイムを測るとします。しかし毎日順調にタイムが縮んでいくわけではありません。
前の日より遅くなる日もあれば、速くなる日もある。そういうことを繰り返しながら次第に平均的なタイムが縮んでいくのではないでしょうか。
「今日はタイムが遅かったから自分は向いてない」とトレーニングを諦めるともったいないと思いませんか。
 
これと同じように瞑想においても、昨日はリラックスできたのに今日はイライラする…ということは日常茶飯事です。しかしそういうことを繰り返しながら次第に心が穏やかな状態に向かっていくのです。
 
 

まとめ

 
 
いかがだったでしょうか。このように瞑想の性質を正しく理解できれば、毎回の効果に一喜一憂しすぎることなくモチベーションを維持しやすいと思います。
うまくいかないと感じる日にも、瞑想をやった自分にねぎらいの気持ちを向けつつ続けていきましょう!
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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