HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医師監修

doingモードとbeingモード

マインドフルネスの世界でよく出てくる言葉として「doingモード」と「beingモード」があります。これは私たちの心の状態(モード)を表す言葉ですが、これらを理解しておくことで、より充実した人生を送ることができるようになるでしょう。

今日はこの言葉の具体的な意味と、これら2つのモードの間のバランスの取り方についてご説明していきましょう。

 

 

 

doingモードとは

 

「doingモード」とは、何かを達成しようとする活動的な状態を指します。このモードでは、私たちは目標を設定し、それに向かって計画を立て、行動を起こしていきます。仕事や日常のタスクをこなす際、または問題解決が必要なときに、このモードが活躍します。

 

doingモードの最大の特徴は、「何かを変えたい」という意欲に基づいて動くことです。たとえば、締め切りに追われる状況や、何かを成し遂げなければならないプレッシャーを感じるとき、人は自然にdoingモードに入りがちです。このモードは生産性を高めるために重要ですが、過剰になるとストレスや疲労を引き起こす可能性もあります。

 

特に、なかなか解決が難しい問題に直面したとき、doingモードで努力を続けることで空回りし、疲弊してしまうこともあります。

 

 

beingモードとは

 

一方、「beingモード」とは、今この瞬間をそのまま受け入れる状態を指します。このモードでは、目標を達成しようとするのではなく、ただ存在することを目的とします。beingモードは、リラックスして自分自身と向き合う時間を持つことで、心の安定と平穏を取り戻すのに役立ちます。

 

たとえば、瞑想や自然の中で静かに過ごす時間が、このモードの典型です。doingモードとは対照的に、beingモードでは「何かを変える」必要はなく、むしろ「そのままでいること」を大切にします。このモードは、心身のリフレッシュを促し、長期的な幸福感を支える重要な要素となります。

 

 

2つのモードのバランスの取り方

 

では、doingモードとbeingモードのバランスはどのように取れば良いのでしょうか?日常生活の中で、これら2つのモードを意識的に切り替えることが鍵となります。たとえば、仕事や家事などでdoingモードに入りがちな時間が続いた後には、意識的にbeingモードに切り替えるための時間を設けることが重要です。

具体的には、1日の終わりに短い瞑想を取り入れたり、週末に自然の中でリラックスする時間を持つことが効果的です。また、doingモードに過剰にならないようにするためには、定期的に自分の心と体の状態をチェックし、必要に応じてリセットすることが大切です。このバランスを保つことで、日々のストレスを軽減し、より充実した生活を送ることができるでしょう。

 

 

まとめ

 

doingモードとbeingモードは、それぞれ異なる役割を持ちながらも、私たちの生活において重要な位置を占めています。doingモードが私たちを前進させる力を与えてくれる一方で、beingモードは心と体の調和を保つための基盤となります。

この2つのモードを上手に使い分けることで、私たちはより豊かでバランスの取れた人生を送ることができるのです。

植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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