HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

瞑想中の「雑念」への対処法 – 瞑想Q&A

 
 
 
瞑想Q&Aでは、瞑想に関するご質問にお答えしていきます。今回のご質問は瞑想中の「雑念」に関するものです。
 
 
 

今回のご質問

Q.
瞑想をしていると、雑念が次々に浮かび、全く集中できません。
何か無心になるためのいい方法はないでしょうか。
 
A.
意外に思われるかもしれませんが、瞑想では無心になる必要はありません。
瞑想は思いが浮かんでくることを利用して様々な力を鍛えていく作業といえます。
 
 

「雑念」はあってもよい?

 
 
 
瞑想をしていると、不快な出来事がたくさん起こります。例えば脚のしびれ、腰の痛みなど…。
 
その中でも代表的なのが「雑念」。
 
静かに座っていると心の中に様々な思いがあふれてきて、まったく集中できない。そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。
 
実はこのように様々な思いが浮かんでくることは、心の性質として自然なことですので、問題視する必要は全くありません。
ですので私は「雑」という文字の入った「雑念」という言葉ではなく、単に「思い」や「考え」と呼ぶことにしています。
 
 

大切なのは「思い」との関わり方

 
瞑想中に大切になのは、浮かんでくる「思い」を消そうとすることではなく、「思い」に対してどう関わるかということです。
 
「思い」との関わり方には大きく分けて2つの方法があります。
 
①思いが浮かんできたら、元の対象に戻る
 
この方法は主に「呼吸瞑想」など、注意を集中するタイプの瞑想のときに行います。
思いが浮かんで注意がそれたことに気づいたら、淡々と元の対象(呼吸瞑想なら呼吸の感覚)に戻ります。
注意がそれるたびに戻ることで、次第に注意をコントロールする力が鍛わっていきます。
注意を戻すときに、注意に関連する脳の部位が活性化するという画像研究もあるんですよ。
 
②思いを観察してみる
 
この方法は、五感や思いを観察し、主に観察力を鍛えるタイプの瞑想のときに行います。
浮かんでくる思いを拒むのではなく、それがどんな思いなのか、ありのまま観察する気持ちで眺めるという方法です。
これにより様々な出来事に対して先入観なく観察の目を向け、日常生活で起こる困難にも的確に対処できるようになるための力が養われます。
 
この辺りの詳しい内容については、今後の記事で説明していきますね!
 

まとめ

 
今回ご説明したように、瞑想中に「思い」が浮かぶことは全く問題ありません。むしろ「思い」が浮かんでくることを利用して様々な力を鍛えていくので、ウェルカムといえます。
今度「雑念」が浮かんだときには、「これも瞑想の一部」「このおかげで力がついていく」というやさしい心持ちで、瞑想を続けてみてくださいね。
 
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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