• ホーム
  • 医療
  • 東洋医学療法の紹介コラム㊴ 気功療法⑯ 気功功法の二

HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医療

東洋医学療法の紹介コラム㊴ 気功療法⑯ 気功功法の二

 

 

内臓呼吸功法(特殊呼吸ツボ刺激法)と関節軟化功法

 

内臓呼吸功法は特殊な呼吸法で体にあるツボを刺激する方法です。

あらためて申し上げるまでもありませんが、命あるものは呼吸から離れることはできません。全ての生物は呼吸を行っており、呼吸が停止すればその生命活動は停止してしまいます。

今回ご紹介する「内臓呼吸功法」は呼吸の特殊な働きを特に重視します。この呼吸法は内臓呼吸運動で行う特殊なもので、直接の作用点は人の肝臓、すい臓、脾臓、胃、腎臓になります。また、呼吸の特徴としては、緩やかに行われるものの変化の幅が大きいという点です。

 息を吸い込む時に大量の自然界の気が体の中に吸入(注入)されますが、この際に肝臓、すい臓、脾臓が連動して体内の上部へ押し上がります。

 息を吐く時には体内の気圧が減少し、下腹の筋肉は次第に臓器に近づいています。最終的には下腹の筋肉が臓器にくっ付いてしまいます。このとき、腹筋と各臓器間で摩擦力が生じ、自己の力で行える内臓運動が始まります。内臓の摩擦運動は、スポーツをするとエネルギーを消耗し、その際に熱が発生するのと同じように、人為的に体内の温度を上昇させることができるのです。

 この呼吸法はエネルギーを熱に転換させる燃焼の過程であると言えます。

 内臓呼吸運動の特徴として、人体内の脂肪を燃料させているところが不思議な点といえます。病理上変化したり、壊死組織などを炭水化物、二酸化炭素に変換して、特殊呼吸法で体外に排出します。脂肪を燃焼させて体外に排出させていることから、ダイエットの目的も同時に達成出来るのです。

 

 特殊呼吸は内臓同士の摩擦運動を通して、内臓の温度を上昇させ、血中酸素の増加や血液の循環を速めるとともに血管を収縮させます。

 血流の加速により、血管内の老廃物をスムーズに運ぶと同時に血管運動を調節することによって尿の量を増加させることで、体内の老廃物を体外に排出する働きがあります。

また、これらに加えて、迷走神経と胃腸の異常を防止する機能もあり、胃腸の働きを調節することによって、消化液の分泌を増やし、消化吸収の能力を高める働きがあるのです。

 特種呼吸法には我々の病気に対する抵抗力を強めて、体自身の必要に応じて、内分泌を自発的に調節しバランスを保つ効果があります。この適度な調節は、いかなる体外調節であっても同様の効果を発揮することはできません。

 このツボに対する刺激と特殊な呼吸方法を組み合わせた運動の訓練により、直接五臓六腑に作用し、新陳代謝を促し、血液の循環を良くし、五臓六腑の機能を正常なものにしていくことができるようになります。長年にわたる多くの実践により、肥満症、糖尿病、高血圧、低血圧、各種浮腫、冠動脈硬化症、脳血栓、呼吸系統の各種疾病、慢性病などに対して著しい効果があることが証明されました。

 

 関節軟化功法は関節の円運動とこの内臓呼吸功法を結合したものです。単純的な関節体操に比して、内蔵呼吸功法の効果もあり、関節並びに全身がより軟らかくなる効果が認められています。

 

 

参考文献:

  • 林茂美・林誠著.らくらく気功健康法―だれにでも手軽にできて効果抜群.永岡書店,1990
  • 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
  • 安井廣迪著.医学生のための漢方医学【基礎編】.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

 

 

© Holistic Health Lab All rights reserved.