Q. 心がつらいときにできることを教えてください。
最近、職場でトラブルを抱えてしまい、家にいてもそのことが不安になりソワソワしてしまいます。
気分転換に外出したりしますが、外出先でも職場のことを思い出して、結局心が休まりません。
何か自分でできることがあれば教えてください。
A. 心がつらいときにできるマインドフルネスの技法がいくつかあります。今日はその中から3つをご紹介しますね。
心のセルフケア
私たちは心を通じて世界を捉えたり、考えたりしています。そのため心がつらいと生活全体に大きな影響を及ぼします。
しかしながら心は身近すぎる存在であるがゆえに、かえってとらえ難く、いざ心がつらくなるとどう対応していいか分かりづらいのではないでしょうか。気分転換をしようとしても、心につらい思いが何度も浮かんできたりしますよね。
次の段落から、心がつらいときに自分でできる対応法を3つご紹介します。
①グラウンディング
一つ目の方法として、グラウンディングをご紹介します。
心がつらいときにはソワソワとして落ち着かない感じになりますよね。日本語には「地に足がつかない」という表現がありますが、まさにそんな状態です。心の安定を取り戻すにあたって、「地に足がついている」「しっかりと大地に支えられている」「確かに今ここに存在している」という感覚を体感としてもつことは非常に重要です。
グラウンディングというのは、大地に支えられていることを思い出す方法です。
やり方は簡単で、自分が支えられている場所の感覚に注意を向けるだけです。
立っている場合:床に接している足の裏の感覚
座っている場合:座面に接しているお尻の感覚 または 床に接している足の裏の感覚
横になっている場合:床やベッドに接している頭や背中、脚の感覚
よかったら1分間でもよいのでやってみてくださいね!
②呼吸瞑想
二つ目の方法として、呼吸瞑想をご紹介します。
グラウンディングでは支えられている場所の感覚に注意を向けましたが、今度は呼吸の感覚に注意を向けます。身体の中でどの部分に呼吸の感覚を感じることができるでしょうか?
例えば鼻の穴の入り口、鼻の奥、喉で空気が通る感覚を感じられるかもしれません。また、胸やお腹が膨らんだりしぼんだりする感覚も感じられるでしょうか。
ご自分が注意を向けやすい場所ならどこでも構いませんので、1ヶ所を選んでその場所に注意を向けてみましょう。この際、特に呼吸をコントロールする必要はありません。
もしかしたら、注意がすぐに別のところにそれるかもしれませんが、それはそれで大丈夫です。それに気づいたら、もう一度やさしく呼吸の感覚に戻ってきましょう。はじめはタイマーを3分くらいにセットしてやってみるのはいかがでしょうか。
③身体の感覚に気づく
三つ目に、身体の感覚に気づくという方法をご紹介します。
心がつらいときには、多くの場合身体の感覚として現れます。この感覚に注意を向けてみるという方法です。例えば私の場合は、不安があると胸の辺りに重苦しい感じがあったり、喉がしまるような感じがあったりします。これは人によって異なりますので、皆さんも心がつらいときにどんな感覚が生じているのか探してみてください。
見つかったら、少しだけその感覚を観察してみましょう。その感覚はどの範囲にあって、どれくらいの深さにあって、時間とともに変化しているか、ちょっと調べてみます。そうしているうちに、感覚が俯瞰でき、つらい思いとも適度な距離がとれていることがありますのでぜひ試してみてください。
注意を向けるのがつらい場合には無理をせず、①や②に切り替えましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。心のセルフケアは大切ですが、難しいと感じる方が多いようです。今日ご紹介した方法はいずれも数分あればできるものばかりですので、やってみてくださいね!