Q. ストレスに感じることがあるとそのことがずっと心の中に残り、嫌な気持ちが続きます。嫌な感情から距離を置くにはどのようにすればよいのでしょうか。
A. 心の中に嫌な感情が続くのは自然なことです。今日は嫌な感情の性質と、嫌な感情への対応の仕方、手放し方について説明していきますね!
嫌な感情は続きやすい
嫌な感情が心の中に起こると、そのことについてグルグルと考えてしまったり、その中にとらわれてしまったりするというのは、皆さんよく経験されるのではないでしょうか。
実は、嫌な感情が続きやすいのは、心に備わった自然な性質によるものです。
私たちの心は進化の過程でそのような性質を備えていったのです。
自然界で生きるにあたり、身の安全を脅かす出来事に関してはよく覚えていた方が生存に有利ですよね。
しかし、自然界では有利に働いていたその性質も、現代の人間社会においては苦しみの原因になることの方が多いようです。
例えば誰かと口論になったとき。その人が目の前にいなくても、その後しばらく頭の中で口論の続きをやっているということはないでしょうか?それに伴って怒りや悔しさのような感情が繰り返し起こってきますよね。これは、例えていうなら、「感情の火に一人で薪をくべ続けている状態」です。一人でいるときも心がエネルギーを消費し続けるため、いつの間にか疲弊してしまいます。
目の前で起こっていないことを想像できるということは人間の大切な能力ですが、それが暴走し始めると、心の疲れに繋がってしまうということですね。
ステップ1:感情に気づく
嫌な感情を手放すには、まずその感情があることに客観的に気づくということが大切です。
例えば「怒りがある」「悔しさがある」「つらい感情がある」などというように、言葉で表現してみるのはよい方法と言えるでしょう。慣れてくると、言葉を使わなくても感情があることを直接認識できるようになります。
これにより「感情は自分とは別のものである」という認識ができ、感情の中に迷い込みづらくなるのです。
とはいえ、感情に気づいたとしても、しばらくするとまた感情の中に迷い込んでしまうということが起こります。そこでお勧めするのが、呼吸の感覚に注意を向けるという方法です。
ステップ2:呼吸の感覚に注意を向ける
普段はあまり意識しませんが、呼吸には常に感覚が伴っています。例えば鼻の入り口、鼻の奥、喉、胸やお腹が膨らんだりしぼんだりする感覚など。どの部分でも構いませんので、ご自分が呼吸の感覚を感じやすい場所を一か所選んで、そこにしばらく注意を向けてみましょう。時間としては30秒くらいで大丈夫です。
呼吸に注意が向いている間は、「心が感情の火に薪をくべる」のをやめるため、感情の火が小さくなっていきます。この状態になれば、感情に迷い込むことは少なくなっていきます。
この方法に関する補足ですが、もし呼吸に注意を向けるのが難しければ、音や身体が接している場所の感覚などに代わりに注意を向けても大丈夫です。また、呼吸に注意を向けている間にもう一度感情にとらわれそうになった場合には、背伸びをするなど、身体を軽く動かしてリセットするのも効果的です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今日は「嫌な感情を手放すヒント」についてお話ししました。HHLABでは他にもマインドフルネスや瞑想について解説した記事をたくさん執筆していますので、ぜひ今後もチェックしてくださいね。