HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

植田 真史先生のマインドフルネスのススメ

「かゆみ」「しびれ」「痛み」への対処法

 
瞑想に関する質問や悩みに、医師・マインドフルネス講師である筆者がお答えするこのシリーズ。
今回は瞑想中の「かゆみ」「しびれ」「痛み」への対処法関するご質問です。
 
 

今回のご質問

 
Q.
瞑想をしていると途中で顔がかゆくなったり、脚がしびれてきたり、腰が痛くなったりします。最初は我慢していますが、つらくなって掻いたり、姿勢を変えたりしてしまいます。瞑想中は動かずに我慢して続けたほうがよいのでしょうか。
 
A.
瞑想中は、ひたすら動かずに我慢すればいいというものではありません。
「かゆみ」「しびれ」「痛み」といった不快な感覚が生じた場合には、いくつかの対処法があります。順を追って説明しますね。
 
 
 

しびれや痛みが起こりにくい姿勢をとる

 
「かゆみ」に関しては予防が難しいかもしれませんが、脚のしびれや身体の痛みに関してはある程度予防ができます。
まずはこちらの「瞑想の座り方〜マインドフルネス瞑想~」記事を参考に痺れや痛みが起こりにくい姿勢をとりましょう。 
 
 
 
 

「かゆみ」「しびれ」「痛み」への対処法

 
では実際に上のような不快な感覚が出てきた場合はどう対応すればよいのでしょうか。
今回は3つの対処法をご説明します。
 
※ここからは「しびれ」を例に説明しますが、「かゆみ」や「痛み」でも基本的な考え方は同じです。
 

 1. 別の場所に注意を向けてみる

瞑想中に脚のしびれに注意がそれたら、別の場所へ注意を向けてみるという方法です。
注意を向ける先は呼吸がよく選ばれます。脚のしびれに注意がとらわれすぎると、しびれが自分の中でどんどん大きなものに感じられてきます。その際、リセットの意味を込めて注意を転じてみる、というのがこの方法です。しばらく経つとしびれの感じ方が変化し、いつの間にか解消されていることもあります。
 
もし、しびれが強く別の場所に注意を向けることが難しい場合は別の方法を試してみましょう。
 
 

 2. 体を動かしてみる

これは体を動かすことでしびれを解消しようという方法です。しびれてきたら圧迫されている部分を解除し楽になるよう体勢を探ってみます。

ただし注意点があり、もし動かす時はとっさに動かすのではなく、十分意識して、意図を持って動かすことが大切です。

瞑想では注意が途切れず続いていることが大切ですので、しびれや痛みに圧倒されて無意識に動かしてしまわないよう気をつけてください。

 
 

 3. その感覚に向き合ってみる

これは不快な感覚にあえて向き合ってみるという方法です。
どう向き合えばよいのかというと、そのしびれの場所と性質を観察することです。
 
場所というのはそのしびれは「身体のどの場所にあるのか」「浅いのか深いのか」「広がりはどの範囲か」といったこと。
 
性質というのはどのような痺れなのか、例えばそのしびれは「弱いのか強いのか」「時間にともなって強さは変化しているか」「ジンジンするのかピリピリするのか」といったことです。
 
上記のようなことをちょっとした興味をもって観察し、もし可能なら言葉を使わずに直接感じとれるかも試してみましょう。このようにすると不快な感覚と自分との関係性が変わり、感じ方に変化が生まれることがあります。
 
 
 

まとめ

 
今回は瞑想中に生じる不快な感覚への対処法を説明しました。
瞑想にはこのような不快な感覚がつきものですが、それらとうまくやっていく方法を探ることで、日常生活の困難に対処する方法を体感的に練習することができます。
ぜひ今日ご紹介した方法を試してみてくださいね^^
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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