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HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

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東洋医学療法の紹介コラム㊳気功療法⑮気功功法の一

1.清肺解毒気功(せいはいげどくきこう)

 

起勢調息(きせいちょうそく

身体の上下運動により“真気”を発動し、経絡に気を巡らせ、気血を調和させることで、あたかも気の波が全身を行き渡るように気血の巡りを良くします。特に高血圧症、心臓病、肝炎等の患者に効果があります。

 

開闊胸腹(かいかつきょうふく)

肺気腫、心臓病、息切れ、動悸、胸内苦悶、神経症、神経衰弱などの患者に効果があります。

 

馬歩雲手(ばほうんしゅ)

気を練って精神力を高め、精神と身体を統一させることができるため、神経衰弱、胃腸疾患、消化不良に一定の効果があります。

 

撈海観天(ろうかいかんてん)

肺を清め、毒素を排出し、肺活量を増加させることにより、腎機能を強め、足腰の力をつけます。

また、脾胃の機能を調整することで胃腸病、腰痛、足の痛み、肥満症にも効果があります。

 

以上4つの連動動作で、腰を強め、腎機能を高め、脾胃の機能を調整し、肺活量を増加させ、肺機能を増強します。五臓中の3つの肺脾腎の経絡に対して、よい刺激になります。

 

 

2.リラックス気功

 

 

2.1 振動リラックス気功法

 両脚は肩の幅と同じように開き、両手は体側に自然に垂らします。

両ひざは規則的な曲げと伸びを繰り返すことによって、全身の上下起伏のような振動が連動されます。約1分間続けます。

終了後、両手は体側に垂らし、意識は中沖穴(中指の先)に集中することで、恐怖や焦躁感情の緩和に効果があります。

 

2.2 経絡たたきリラックス気功法

 両手で全身の経絡に沿って体をたたきます。

線路:胸の上角にある雲門穴中府穴から始め、手の三陰経から手の先へ、三陽経に沿って肩井穴に戻って、それから下へ、胸腹部を経て丹田に、そして帯脈に沿って腎兪穴に。足外側の三陽から下向へ、足の先から足の内側へ回り、三陰経に乗って上行、再び丹田に戻ります。

各重要なポイント(太字)を9回たたきます。最後に意識を丹田に置き、暫く静かに休養し、ゆっくりと呼吸します。

 

 

 

 

3.ツボ指圧功法

ツボを押さえながらそれに合わせて体の各部位を動かす。

東洋医学であるツボ療法と、西洋医学の運動を組み合わせた功法です。運動には血行を良くする、内臓の動きを活発にするなどの効果があるので、ツボの刺激と同時に体を動かせば効果は倍増です。中国針を打つときは、ツボに針を刺したまま四肢をぐるぐる回すことにより、特別な良い効果が出ますが、これと同じ効果があります。

 

 このツボ指圧の刺激は次の内臓呼吸功法(特殊呼吸ツボ刺激法)と関節軟化功法の準備と補助につながるものです。

 

指圧ツボ群Ⅰ

イライラしたりストレスがたまりやすい、ぐっすり眠れないなどの症状を持つ方に自律神経を整え、血行不良による肩こりや、むくみの改善、更年期の症状にもよい。

応用ツボ:外関(血行を良くする)、太陽と風池(目の疲れをとる)、肩井(肩をほぐす)、三陰交と血海と涌泉(むくみ、疲れを取る)、指間穴と合谷(自律神経を整える)、しん会(気分をリラックスさせる)。

 

指圧ツボ群Ⅱ

何となく体がだるい、目覚めが良くない、頭がぼんやりする方に、新陳代謝がよくなり、気分もすっきりする。

応用ツボ:内関(体を目覚めさせる)、百会(頭をスッキリさせる)、合谷と居りょう及び環跳(姿勢をきれいにする)、関元と腎兪(新陳代謝を良くする)、魚際(呼吸を整える)。

 

 

参考文献:

  • 林茂美・林誠著.らくらく気功健康法―だれにでも手軽にできて効果抜群.永岡書店,1990
  • 関口善太著.〈イラスト図解〉東洋医学のしくみ.日本実業出版社,2003
  • 安井廣迪著.医学生のための漢方医学【基礎編】.東洋学術出版社,2008
  • 平馬直樹・浅川要・辰巳洋著.オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書.株式会社ナツメ社,2014
  • 仙頭正四郎著.最新 カラー図解 東洋医学 基本としくみ.株式会社西東社,2019

 

 

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