
マインドフルネスを続けていると、「嫌な感情を感じなくなるのですか?」と疑問に思う方がいらっしゃいます。怒りや不安、悲しみなどに振り回されるのはつらいものです。そのため、マインドフルネスによってこうした感情がなくなればいい、と期待することもあるかもしれません。
しかし、マインドフルネスは「嫌な感情をなくす」ためのものではありません。むしろ、そこにある感情に気づき、それとの付き合い方を変えていくことが大切になります。今回は、マインドフルネスと感情の関係について考えてみましょう。
マインドフルネスをしても感情はなくならない
結論から言えば、マインドフルネスを実践したからといって、怒りや不安、悲しみなどの感情が起こらなくなるわけではありません。
マインドフルネスでは、今この瞬間に起こっていることに注意を向けていきます。身体の感覚や呼吸だけでなく、ときには自分の心の状態にも気づいていきます。
そのため、マインドフルネスを実践することで、むしろ今まで気づかなかった嫌な感情に気づくこともあります。しかし、「せっかくマインドフルネスをしているのに、嫌な感情が出てきた」とがっかりする必要はありません。嫌な感情があることに気づくこと自体が、マインドフルネスの大切なプロセスなのです。
大切なのは、感情に振り回されないための「間」
では、感情に気づくことにはどんな意味があるのでしょうか。
私たちは嫌な感情が起こったとき、無意識のうちに習慣的な反応をしてしまうことがあります。例えば仕事で失敗して落ち込んだとき、考えたくないからとスマートフォンをずっと眺めたり、夜更かしをしたりすることがあるかもしれません。その結果、寝不足になり、さらに調子を崩してしまうこともあります。
しかし、「今、自分はかなり落ち込んでいるな」と自分の状態に気づくことができれば、そこに少し「間」が生まれます。その間があることで、いつもの反応をそのまま繰り返すのではなく、「今日は疲れているから早めに休もう」といった、今の自分にとってより適切な行動を選べる可能性が生まれます。
つまり、マインドフルネスによって目指すのは感情そのものをなくすことではなく、感情に気づき、そこからどう行動するかを選択できるようになることなのです。
感情を無理に消そうとしなくていい
嫌な感情があると、「早くなくしたい」「こんなことを感じてはいけない」と思うことがあります。しかし、嫌な感情が心の中に残ること自体は自然なことです。大切なのは、感情を無理やり追い出そうとすることではなく、まず自分の中にその感情があることに気づくことです。
そして、感情そのものと、それについて頭の中で繰り返し考え続けることは分けて考えることができます。例えば誰かと口論したあと、その人がもう目の前にいないのに、頭の中で何度も口論を続けてしまうことがあります。すると、怒りや悔しさが何度も起こり、心が疲れてしまいます。
マインドフルネスでは、そうした状態にも気づき、今この瞬間の感覚へと注意を戻していくことができます。感情を「なくさなければ」と頑張るのではなく、感情があることを認めながら、それにとらわれすぎない。そのような関係を少しずつ育てていくことが大切です。
参考:嫌な感情を手放すヒント
まとめ
いかがだったでしょうか?マインドフルネスを実践しても、怒り、不安、悲しみなどの感情がなくなるわけではありません。むしろ、自分の中で起こっている感情に、以前より気づきやすくなることもあります。
しかし、その「気づき」があるからこそ、感情にそのまま振り回されるのではなく、いったん立ち止まり、自分にとってより適切な行動を選べる可能性が生まれます。
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