前回の部屋では「チームって何だろうか?」その一般的な定義をご紹介いたしました。
今回はその「チーム」を観る(観察し介入する)眼(視点とモデル)をご紹介したいと思います。

組織学者のデービッド・A・ナドラー博士(David A. Nadler)がチームを観る眼を紹介してくれています
これはチームの機能を4つの領域に整理したものです。
① Goal(目標機能)
- チームの目的を明確にする
- 方向性を共有する
- 何を達成するのかを定義する
👉 チームの“北極星・ミッションやVision・価値観”を構成する領域。

② Role(役割機能)
- 誰が何を担当するか
- 権限や責任の明確化
- 相互依存の整理
👉 チームの“構造・設計図”にあたる部分。

③ Procedure(手続き・プロセス機能)
- 意思決定の方法
- コミュニケーションの流れ
- 会議の進め方
- 問題解決の手順
👉 チームが“どう動くか?どんな規範を形成するか”を決める領域。

④ Human Relation(人間関係機能)
- 信頼
- 感情の扱い
- 協力関係
- コンフリクトマネジメント
👉 チームの“心のエンジン”“感情的なネットワーク関係”にあたる部分。

4分類の意味
ナドラー博士は、チームの問題は多くの場合
この4つのどこかに不整合があると説明しています。
例えば
- 目標が曖昧(Goal)
- 役割が重複・欠落(Role)
- プロセスが混乱(Procedure)
- 関係性が悪化(Human Relation)
この4つを診断することで、
チームのどこに改善ポイントがあるかが見える、という考え方です。
ナドラー博士は、チームを「社会的システム」として捉えており、
その機能を理解するためには 構造(Goal・Role・Procedure) と
関係性(Human Relation) の両方を見る必要があると述べています。
このモデルを医療チームに置き換えると
🎯 Goal(目標)
- 共有すべきは「業務目標」だけでなく「患者・利用者の望む状態」
- 例:退院支援のゴール、生活機能の維持、家族の安心
👥 Role(役割)
- 医師・看護師・介護職・リハ職・相談員などの専門性を“どう組み合わせるか” が鍵
- 役割の重複や抜け漏れが起きやすい領域
🔄 Procedure(手続き・プロセス)
- カンファレンスの進め方
- 情報共有の流れ
- 緊急時の意思決定と期待される行動
- 記録の扱い方 等々
→ 医療・介護・福祉ではここが混乱すると事故につながりやすい
❤️ Human Relation(人間関係)
- 信頼
- 感情の共有
- 専門職間のリスペクト
- コンフリクトの扱い方
→ チームの“雰囲気”をつくる部分で、実は最も影響力が大きいかもしれません
さて、あなたのチームではどこが整合して、どこが不整合ですか?
自分のチームを診断してみて下さい

独り言

私がコンサルタントチームの駆け出しマネジャーだった頃、Team concept Modelを意識しながら、先ずはGoalを考えたのですが、どのレベルでGoalを考えれば良いのか?かなり迷って苦闘した記憶があります。
OD(組織開発)のコンサルタントとして、また行動科学をベースとした強みを意識して、「組織の変革と活性化・問題解決を行動科学のテクノロジーを活用して貢献する」みたいな青臭い言い回しをしていたように思います。(これはこれで私のコアな信念ですが・・)
しかし、今思えばチームメンバーは業績挙げているメンバー(それなりに良い生活しているメンバー)だけでではなく、業績挙げてとにかくいい飯食いたい!!みたいな思いを持っているメンバーも多くいたように思われます。
そのためには各人のコンピテンシーを高め(泥臭く言うとスキルを高め)、良い飯を食わせる(仕事をアサインする)のが、マネジャーとしての第一の仕事だったかもしれません。そこで葛藤して青臭い新任マネジャーの私は苦悶の日々を過ごしていた時期が2年程あったのを覚えています。
人は綺麗ごとでは動かない、でも核になる信念を捨ててしまえば高みは見えない
Managementは難しいですね。






