HOLISTIC HEALTH JOURNAL

ホリスティックヘルス ジャーナル

医師監修

瞑想のガイドとの付き合い方

Q. 瞑想のガイド音源を聞きながら瞑想をしているのですが、ときどきガイドの内容がしっくりこず、その通りにできないと感じることがあります。こういう場合はどう考えればよいのでしょうか。
 
A. 瞑想のガイド音源は、100%その通りにしなければいけないというものではありません。今日は瞑想のガイドとの付き合い方についてご説明しますね。
 
 
 
 
 
 

ガイドの通りに瞑想できない

 
 
今日は「瞑想のガイドとの付き合い方」についてお話ししたいと思います。ガイドを聞きながら瞑想することもあると思いますが、ガイドが言う通りにしなくても大丈夫です。これが瞑想における重要なポイントです。
 
ガイドの中には、自分にはしっくりこない内容もあるかもしれません。例えば、注意が何か別の対象にそれたときに「それを手放しましょう」といったガイドがあった場合、「手放す」という意味がわからない、しっくりこないこともあるでしょう。実はこれは自然なことで、瞑想を始めた多くの人が経験することです。
 
瞑想は心の中で起こっているものなので、100%正確にその様子を言語化するということは不可能です。結果としてガイドも完璧なものではあり得ません。ですので、完璧にやろうと思う必要はありません。むしろ大切なのは「ガイドの通りにできなくても大丈夫」と自分を認めてあげることなのです。
 
 
 

ガイドの通りにやらないことの大切さ

 
 
 
 
もしかしたら「ガイドの通りにできない」となると自分を否定してしまうことがあるかもしれません。しかしこれはむしろ逆で、「あえてガイドの通りにやらずに自分に合わせて調整する」くらいのスタンスがよいのです。
 
例えば瞑想中に不安が強くなり、ガイドの通りに注意を集中するのが難しくなったとしましょう。それでも何とか我慢して続けようとすると、心には負担が蓄積していきます。こういったことを防ぐためにも、つらいと感じたら中断するということも大切です。ガイドは100%従うためではなく、時には自分に合わせて外れるためにあるのです。このように「自分に合わせた選択をする」ことを、「セルフケアの原則」と言います。
 
 
 

日常生活への応用

 
 
 
瞑想で「セルフケアの原則」を練習していると、日常生活で役立ちます。私たちは社会生活の中で、多くの決まりや思い込みに縛られていて、それを守らなければならない、とついつい無理をしてしまうことがあります。ストレスによる健康障害の多くが、周囲に合わせて過剰に無理をしてしまうことによるものではないでしょうか。
 
「セルフケアの原則」が身についていると、無理をしている自分に気づき、休息を取ったり、方法を変えたりすることができるようになります。結果として、健康を保ちつつ、持続可能な形で生活を送っていくことができるようになるのです。
 
 
 
 
 

まとめ

 
いかがだったでしょうか。今回は瞑想のガイドとの付き合い方についてお話ししました。ガイドに沿わないことは決してネガティブなことではなく、それを練習することで日常生活にも役立ってくることがご理解いただけたでしょうか。日々の実践の中「セルフケアの原則」を身につけて頂ければと思います。
植田 真史

植田 真史(うえだ まさし)

みゆきの里顧問
医師・マインドフルネス講師

米国Brown大学認定マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師
Home of Mindfulness代表
現代マインドフルネスセンター副代表

眼科医だった頃にうつ病に悩まされたが、マインドフルネスとの出会いをきっかけに快復。
その際の経験から精神科医に転向し、渡米してマインドフルネスの講師資格を取得。
病院外にも目を向けてマインドフルネスの普及活動に取り組んでいる。

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