なんとなく胸がざわざわする。頭の中が不安でいっぱいになる。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。不安は人間にとって自然な感情のひとつですが、それに振り回されると日常生活がとても苦しく感じられることもあります。そんなとき、マインドフルネスが力になってくれるかもしれません。
「反応」ではなく「気づき」から始める
不安を感じたとき、多くの人がそれを「どうにかしてなくしたい」と思います。でも、マインドフルネスでは少し違った見方をします。不安をただ「気づく対象」としてやさしく観察することで、感情に飲み込まれるのではなく、少し距離をとることができるのです。
たとえば、不安を感じているときの身体の感覚に目を向けてみると、胸のあたりが重たい、胃のあたりがきゅっと縮こまっている、といったサインに気づくことがあります。そうした感覚にただ気づき、「ああ、いま、不安なんだな」と認めてあげるだけでも、心がふっとゆるむことがあります。不安を「なくそうとする」のではなく、今の自分に「そうだね」と寄り添うことが第一歩です。
「今この瞬間」に意識を向けることの意味
不安の多くは、まだ起きていない未来のことに意識が向いているときに大きくなります。「もし失敗したら」「またあんなことが起きたら…」と、思考がどんどん先に進んでしまうんですね。マインドフルネスでは、そうした思考に気づいたら、そっと「今この瞬間」に意識を戻します。
たとえば、今感じている足の裏の感覚、呼吸の動き、手に触れているものの感触…。そうした「今、ここ」の身体の感覚に意識を置くことで、頭の中の不安のストーリーから一歩距離をとることができるのです。
もちろん、また思考に巻き込まれてしまうこともありますが、それは自然なことです。そのたびに、やさしく「いま」に戻ってくることが、マインドフルネスの大切な練習です。
不安とともにいる練習を重ねる
マインドフルネスの実践は、一度きりの「特効薬」ではなく、少しずつ不安とのつきあい方を変えていく「練習」です。不安を感じたとき、「ああ、今、不安なんだな」と認めて、そのまま呼吸とともにいてみる。それを繰り返していくと、やがて「不安があっても大丈夫」と感じられる力がついていきます。
大切なのは、不安を「追い出す」のではなく、不安と「共にいる」という姿勢です。ときにはうまくできないと感じることもあるかもしれません。でも、そんなときこそ、自分にやさしさを向けるチャンスです。「今の自分にできることを、できるだけでいいんだよ」と、自分自身に語りかけてみてください。
マインドフルネスは、感情を変えるのではなく、感情との関係性を変えることを助けてくれる実践なのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。不安は誰にとっても避けがたい感情ですが、それに気づき、今この瞬間に立ち返ることができれば、不安に飲み込まれずに過ごすことができます。
マインドフルネスは、そのための道しるべとなってくれます。不安なときこそ、静かに呼吸に寄り添い、自分自身に「今ここにいていいよ」と伝えてあげる時間を持ってみませんか。
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