アロマテラピーというとラベンダーやオレンジスイート、ティートリーは親しみがあり
使用頻度も高く研究も多いようです。
ラベンダー精油は、このHHLABの記事のレシピにも何度も登場する精油です。
今回はラベンダー精油に関する研究をいくつかご紹介したいと思います。
ラベンダーは主には
・甘くて深い香り、ザ・リラックスのアングスティフォリア種
ラベンダー・アングスティフォリア精油(酢酸リナリル・リナロール含有)
・スーッとする香りが特徴で呼吸器や皮膚のケアに使うスピカ種
ラベンダー・スピカ精油(1.8シネオール・カンファー・リナロール含有)
・アングスティフォリア種とスピカ種の交配種のラバンジン
ラベンダー・スーパー精油(酢酸リナリル・リナロール・ケトン類含有)
などがあります。交配種のラバンジンは沢山の種類の精油がありプラナロム社でも8種類のラベンダー精油があります
今回は、医療系エビデンスのご紹介です
ラベンダー・アングスティフォリア精油(Lavandula Angustifolia)を用いた上肢トリートメントが自立神経活動と気分に及ぼす影響
〇健康な成人10名に3%のラベンダーオイルとキャリアオイルのみのコントロール条件で上肢のトリートメントを5分間行い実験前後で気分プロフィールPOMS、VASによる気分測定と心拍周波数解析からHF(副交感神経)とLF/HF(バランス)で自律神経活動を測定した。
その結果、HFで3%ラベンダーオイル条件で有意に上昇し実験前に比べ34%の亢進を認めた。LF/HFはコントロール条件の方が安静時より増加傾向がみられたが有意差は認められなかった。主観的評価指標では気分レベル、肩温感の上昇が認められたが、ラベンダー精油による影響はみられなかった。
結果、5分間の上肢トリートメントが快の感情を喚起し、ラベンダーアングスティフォリア精油を加えることにより副交感神経活動が促進されることが示唆された。
参照:2009年 京都府立医科大学医学部看護学科研究
〇健康な40名の女性を対象としラベンダーアングスティフォリア精油ブレンドオイルでのトリートメント、キャリアオイルだけのトリートメント、芳香、コントロールの4群で比較した。
評価は脳波、心電図解析、気分プロフィール(短縮POMS)を用いた。その結果、芳香群、トリートメント群、アロマトリートメント群は脳波の(θ+α)/βとくつろぎ感の増加を示し、特にアロマトリートメント群は、心拍と疲労感の低下を示した。アロマトリートメント群は芳香群やトリートメント群よりもTMD得点の減少を示し有意なリラクセーション効果をもたらしたことが示唆された
参照:2010年 愛媛大学大学院医学研究科研究
〇整形外科疾患に対するラベンダー・スーパーの治療成績
5%ラベンダー・スーパーオイルを用い、トリートメント前後での動脈血流速、深部・体表面温度を測定し疼痛などの臨床症状・快適度と比較検討した。
49例で、上肢疾患、下肢疾患、脊椎疾患、四肢疾患の4群に分け、橈骨動脈流速、速肺動脈流速、深部温度、体表面温度を測定した。各群ともトリートメント後、動脈速流、深部・体表面温度は有意差(P<0.01)で上昇し、疼痛、快適度も改善した(P<0.01)。また、体表面温度上昇率と疼痛改善率には相関関係が認められた(γ=0.677,P<0.01)
参照:2003 山崎整形外科クリニック
いかがですか?
医療系看護の研究では主に芳香浴やトリートメントの研究が多いようです
整形外科領域や小児科領域の医師の研究、研究者や薬剤師の研究など色々とあります。
禁忌や注意が少ないものだと使いやすく、薬剤以外にも治療や緩和の方法があると選択肢がひろがりますね
私の2014年の研究でも、アロマハンドトリートメントの効果として脈拍や血圧の安定、唾液中のアミラーゼ低下、短縮POMSのTMDスコア低下がみられました。その結果を経て患者にも医療従事者にも優しいケアが広がるといいなという思いで、今現在もアロマテラピー活動を行っています。
普段のケア+アロマケアで温かい世界になると良いなと思います。